■人生の悲劇は良い子に始まる/加藤諦三 PHP研究所 1994
ありのままの自分が親に受け入れられているという基本的安心感の有無が、その人の
一生を支配する。基本的安心感を感じられる人は、自分が自分であることを喜べる。
だがそれがない人は、他人の顔色を窺う。
もし親が本当に子供を愛しているなら、その子は不安にはならない。自分の弱点を
自由に示せるし、感じたまま自然に振る舞える。そこに自発性が育つ。
あなたを世話するのはこんなに嬉しいと子に伝える親と、あなたを世話するのはこんなに
大変だと伝える親とでは、子供の心理的成長にとって、親の意味はまったく違う。
前者の子供は自分の存在に自信を持つ。
巨大な財産を子供に残すことより、はるかに子供の人生を生きやすくする。
■残酷な進化論/更科功 NHK出版 2019
生存闘争をすることによって、自然淘汰が働く。つまり、より環境に合わない個体が
死ぬことによって、より環境に合った個体が増えていく。
自然淘汰が働かなければ、生物は生まれない。死ななければ、生物は生まれない。
死ななければ、生物は、40憶年も生き続けることはできなかった。
「死」が生物を生み出した以上、生物は「死」と縁を切ることはできない。